私が制作したオリジナルの風景イラストです。先日の展示でも飾った作品のひとつで、ご来場いただいた方から「この作品のポストカードが欲しい」とお声がけいただきました。ご用意ができておらず申し訳なかったのですが、そう言ってもらえてとても嬉しかったです。
この作品のテーマは「五感で感じる心の風景」です。
一面に広がる菜の花の鮮やかな黄色(視覚)、風に乗って漂う菜の花の香り(嗅覚)、そして川のせせらぎの音(聴覚)。絵を見た方が、ただ風景を見るだけでなく、その場の空気や香り、音までも感じられるような作品を目指して描きました。
モチーフとなったのは旅先で出会った風景です。ただし実在する場所をそのまま描いたわけではありません。これまで訪れたさまざまな場所の記憶を重ね合わせながら、私自身の中にある「心の風景」として再構成しています。
実はこの作品には、小さな仕掛けが隠されています。
空を飛ぶ飛行機は単なる風景の一部ではなく、「過去から現在へ続く時間」を象徴するモチーフとして描きました。人は文字やカレンダーを読むとき、時間を左から右へ流れるものとして認識する傾向があるといわれています。一方で、右から左への動きには回想や過去を振り返る意味合いが感じられることがあります。
そこでこの作品では、飛行機を右から左へ飛ばし、過去の思い出へと心が旅をする様子をさりげなく表現しました。勿論気づかれなくても構いません、絵の中にそんな小さな遊び(仕掛け)を今回忍ばせてみました。
私は作品の中に、時折こうした「隠しアイテム」や「小さな遊び」を入れることがあります。今回の展示でも何人かの方が見つけてくださり、とても嬉しく思いました。
とはいえ、絵に込めた意味以上に大切なのは、絵を見てくれた方それぞれが自由に想像し、自分だけの物語を見つけてくださることです。
この作品を通して、穏やかな気持ちになったり、懐かしい旅の記憶を思い出したり、「どこかへ出かけたいな」と感じてもらえたら、描き手としてこれ以上の喜びはありません。



